読む相談室 > 第2方法を比べる 「サロンじゃ白くならない」って本当?
CHAPTER 2方法を比べる

「サロンじゃ白くならない」って本当?

この記事で分かること
  1. 「白くする」には①落とす ②見え方を変える ③色を変えるの3つがあり、歯そのものの色が動くのは③だけです。
  2. 「サロンでは歯そのものの色は変えられない」は本当です。過酸化物の薬剤は医療機器で、歯科の管理下でしか使えません。
  3. ただしそれは①も②も起きないという意味ではありません。日本のサロンで一般的とされるのは①にあたります。
  4. 保険で着色除去そのものは受けられません。保険にあるのは歯科疾患に対する処置です。

歯科医院のサイトを見ると、だいたい同じ結論に行き着きます。サロンや市販品では白くならない、歯科でやるべきだ、と。

当院も歯科医院なので、そう書けば話は早いのですが、この言い方だと大事なところが抜けます。そもそも「白くする」には、やっていることが違う3つがあります。分けて見ていくと、ご自身に必要なのがどれなのかが決まります。

01まず「白くする」には、3つの別物があります

「白くする」には、やっていることが違う3つがあります落とす相手にしているもの表面の着色こすり落とす、または分解して落とす歯の色は変わらない見え方を変える相手にしているもの光の見え方紫の色素で黄色みを打ち消す歯の色は変わらない色を変える相手にしているもの歯そのものの色色素分子を酸化して分解する歯の色が変わる左の2つでも見た目は変わります。ただし歯そのものの色は動いていません落としたいものが表面の着色なら、いちばん右である必要はありません
整理は本文中の各出典にもとづきます。研磨で落とす=Jamwal N ほか(F1000Res. 2022;11:22・システマティックレビュー7本/いずれも試験管内の研究)、 紫の色素による打ち消し=Boruga M ほか(Dent J. 2025;13(8):346・システマティックレビュー6本。著者は「波長約420nmの紫の色素が黄色みを光学的に相殺する」と説明)、 酸化して分解=Eimar H ほか(J Dent. 2012;40 Suppl 2:e25-33・抜去歯60本の実験)。日本のサロンで使われているものが、この研究の製品と同じとは限りません。

混同されやすいのですが、やっていることが違います。この記事を読むうえで、いちばん大事なところです。

① 落とす 表面についた着色を、こすり落とすか、分解して落とします。エビデンス:弱 市販のホワイトニング歯磨き粉について7本の研究をまとめたシステマティックレビューは、その仕組みを「ペーストの研磨性、または特定の化学成分による」と整理しています(Jamwal 2022・いずれも試験管内の研究)。サロンで光を当てる方式についても、一般的な説明は歯に付いた汚れを分解して落とすというものです。

② 見え方を変える 紫色の色素で、黄色みを視覚的に打ち消します。色の反対側にあるものを重ねて、目立たなくする考え方です。歯そのものの色は動いていません。

③ 色を変える 色のもとになっている分子を酸化して分解します。歯科の漂白がこれです。仕組みの詳しい話は別の記事で扱っています。

①と②では、歯そのものの色は変わりません。それでも見た目は変わります。ここを分けておくと、このあとの話が読みやすくなります。

02制度として、できることが違います

ここは日本の決まりの話なので、はっきりしています。

  • 歯そのものを白くする過酸化物の薬剤は、薬機法上医療機器(歯科材料)で、歯科医師・歯科衛生士の管理下でしか使えません
  • 過酸化水素6.0%超・過酸化尿素17%超は、毒物及び劇物取締法の対象です
  • 日本には、消費者向けのブリーチ剤が存在しません。海外にある市販の漂白キットに相当するものは買えません

ドラッグストアで売られている「ホワイトニング歯磨き粉」は医薬部外品または化粧品で、研磨・ステイン除去であって漂白ではありません。

「サロンでは歯そのものの色は変えられない」。ここは本当です。腕や熱意の問題ではなく、制度でそうなっています。

ただし、これは①も②も起きないという意味ではありません。表面の着色は落ちますし、見え方も変わります。動いていないのは、歯そのものの色だけです。

※日本のサロンで一般的とされるのは、ポリリン酸・メタリン酸・酸化チタンなどを用い、光を当てて汚れを分解して落とす方式です。 つまり①にあたりますお通いのサロンで何を使っているかは、そちらでご確認ください。

03では、あなたはどちらで足りるのか

分かれ目は、気になっている色がどこから来ているかです。コーヒーやお茶で表面についた着色が主なら、落とすだけで印象は変わります。その場合、歯科の漂白でなければいけない理由はありません。

一方、歯そのものの色みが気になっているなら、表面をいくら落としても届きません。生まれつきの色や、加齢による変化がこちらにあたります。ここが厄介で、自分がどちらなのかは見ただけでは分かりません。両方が混ざっている方も多くおられます。

04「保険のクリーニング」についても、正確に

よくある誤解なので、ここも書いておきます。保険で着色除去そのものを受けることはできません。

保険にある処置は、歯科疾患に罹患している患者に対する歯垢除去等という位置づけです(機械的歯面清掃処置・1口腔につき72点)。歯科疾患管理料などを算定している患者に対して、原則2月に1回という決まりもあります。

歯周病の治療の過程で、結果として着色も落ちることはあります。ただし、着色を落とすこと自体を目的にはできません。「保険でやってもらえるはず」と思って来られた方に、話が違うと感じさせてしまう箇所です。

※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。費用・リスク・副作用はホワイトニングのご案内のページに記載しています。

05当院は、落としてから白くします

当院の2歯おためしでは、その2本の着色を落としてから、白くします。表面の着色が残ったままだと、歯そのものの色がどう動いたのか分からなくなるためです。

あわせて今の色を色見本で測るので、「落としただけで足りたのか」「漂白まで必要なのか」がご自身で判断できます。

落とすだけで十分だと分かれば、そうお伝えします。結果を持ち帰って、おうちで決めてください。当日の勧誘はしません。

この記事のまとめ
  • 「白くする」には①落とす ②見え方を変える ③色を変えるの3つがあり、歯そのものの色が動くのは③だけです
  • 「サロンでは歯そのものの色は変えられない」は本当です。過酸化物の薬剤は医療機器で、歯科医師・歯科衛生士の管理下でしか使えません
  • ただしそれは①も②も起きないという意味ではありません。日本のサロンで一般的とされるのは①にあたります
  • 分かれ目は気になっている色がどこから来ているか。表面の着色が主なら、落とすだけで足りることがあります
  • 保険で着色除去そのものは受けられません。保険にあるのは歯科疾患に対する処置です
参考文献
  1. Boruga M, Tapalaga G, Luca MM, Bumbu BA. Hydrogen Peroxide-Free Color Correctors for Tooth Whitening in Adolescents and Young Adults: A Systematic Review of In Vitro and Clinical Evidence. Dent J (Basel). 2025;13(8):346.(システマティックレビュー6本。本記事では「紫の色素が補色によって黄色みを光学的に相殺する」という分類の出典としてのみ用いています)PMC12384575 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12384575/
  2. Jamwal N, Rao A, Shenoy R, et al. Effect of whitening toothpaste on surface roughness and microhardness of human teeth: a systematic review and meta-analysis. F1000Res. 2022;11:22.(システマティックレビュー7本/いずれも試験管内の研究)
  3. 日本歯科審美学会「歯のホワイトニングについて」(過酸化物は医療用具で、非資格者の施術は違法)
  4. 厚生労働省 歯科診療報酬点数表 I030 機械的歯面清掃処置(1口腔につき72点・歯科疾患に罹患している患者に対する歯垢除去等)
※本記事で紹介した研究知見は一般的なものであり、個々の患者さんの結果を保証するものではありません。実際の状態や治療方針は、診察・検査のうえで判断します。

読んでも迷うときは、
まず2本で試せます。

下の前歯2本だけを先に白くして、しみるかどうかを実際に確かめられます。
今の歯の色も測って、白くなりやすさの目安をお伝えします。当日の勧誘はしません。

お電話でも承ります050-1721-8291(診療時間内)

※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。費用・リスク・副作用はホワイトニングのご案内に記載しています。

LINEで相談WEB予約