あのリファが電動歯ブラシに参入。その新しさ、確かめられている?
- 「ナノバブル」と「ウルトラファインバブル」は同じものの別の呼び名です。まず「それは何の別名か」を確かめると、比べる相手が見つかります。
- 音波式と回転振動式の比較は、研究の資金の出どころが近いほど差が大きく報告されています。コクランは、試験のばらつきを方式のサブグループでは説明できなかったとしています。
- ナノバブルで口の中を調べた研究は12人・30秒のうがい・1回きりの1本、ラジオ波は58人・偽装対照で3か月では差が消えた1本でした。
- 新しい説明を読むチェックポイントは4つ。試験管か口の中か/誰の資金か/何を測ったか/どのくらい続いたか。
こんにちは。Ihana歯科北浜院長の岩崎です。
2026年8月19日、美容機器のブランドとして知られるリファ(ReFa/MTG社)がオーラルケアに参入しました。全国の歯科医院での先行販売という入り方で、電動歯ブラシ「ReFa PLATINUM RF SONIC」とウォーターフロス「ReFa FINE BUBBLE FLOSS」の2機種です(家電 Watch 2026年8月3日の報道による)。当院でも、診療のあとに「あれ、どうなんですか」と聞かれることが増えました。
説明を読むと、ラジオ波、温感、ウルトラファインバブルといった、歯ブラシの話としては聞き慣れない言葉が並びます。量販店やネットの比較記事が使ってきた「音波式か、回転式か」という分け方は、こうした言葉の前ではあまり役に立ちません。何がどこまで確かめられているのかを知るには、別の見方が必要です。
この記事では、特定の製品を薦めることも、やめておいたほうがいいと言う事もしてませんし、それをしたいわけではないです。かわりに、その説明が何によって支えられているのかを、ご自身で確かめられる形にしていきます。使うのは、私が実際に開いて読んだ論文だけです。リファの発表資料には臨床試験や研究データの記載が見当たらなかったため、製品そのものを検証することはできません。できるのは、同じ方式について、どこまで調べられているかを並べることです。
01言葉の整理‐ナノバブルとウルトラファインバブル
「ナノバブル」と「ウルトラファインバブル」は、同じものを指しています。泡は大きさで呼び分けられていて、直径がおよそ10〜30マイクロメートルのものがマイクロバブル、直径1マイクロメートル以下のものがウルトラファインバブルです。この1マイクロメートル以下の泡が、以前はナノバブルと呼ばれていました(Sueishi N ほか・Dent Mater J. 2021;40(2):272-278・PMID 33055432 の本文による)。呼び名が2つあるだけで、指しているものは変わりません。
リファのウォーターフロスの説明も「1μm未満の微細な泡であるウルトラファインバブル」となっていて、この定義と一致します。新しい言葉が出てきたときは、まず「それは何の別名か」を確かめます。そこがはっきりすると、その言葉について過去に何が調べられてきたかをたどれるようになります。
02手用と電動の差は、ここまで分かっています
エビデンス:強 新しい方式の話に入る前に、電動歯ブラシ全体について何が分かっているかを見ておきます。コクラン共同計画の系統的レビュー(Yaacob ら 2014・PMID 24934383)は、51件のランダム化比較試験・4,624人分のデータをまとめて、電動歯ブラシは手用より歯垢を短期(1〜3か月)で11%、長期(3か月超)で21%多く減らし、歯ぐきの炎症を短期で6%、長期で11%多く減らしたと報告しています。
同じ論文の結論には、続きがあります。「これらの所見の臨床的な重要性は、いまだ明らかではない」。歯垢の指数が11%下がったことが、その人のむし歯や歯周病の行く末をどれだけ変えるのか。そこは測られていません。有害な出来事についても「報告されたものは局所的で一時的なものだけ」とされています。
電動歯ブラシについて人で調べられたもののうち、規模がいちばん大きいのがこのレビューです。以降で扱う方式ごとの違いは、いずれもこの土台の上に乗る、もっと小さな差の話になります。
03音波式と回転振動式、どちらが上ですか
いちばん多い質問です。答えは「差はあるが小さく、しかも数字の大きさが、研究にお金を出した人との関係性で変わる」というものになります。同じ問いを扱ったメタ解析を、資金の出どころが遠いものから順に3本見ていきます。
エビデンス:中 1本目は、大学の研究者だけで書かれたものです。Clark-Perry と Levin による系統的レビューとメタ解析(J Am Dent Assoc. 2020;151(4):265-275・PMID 32111341)は、2009年から2019年までのランダム化比較試験12本を解析しました。回転振動式が音波式より有利だったのは、4つの指標のうち2つです。全顎の歯垢(p<.01)と出血部位の数(p<.001)では差がつき、modified gingival index と gingival bleeding index では差がつきませんでした(いずれもp>.05)。著者の結論も「回転振動式のほうが歯垢を多く落とし、出血部位を多く減らすかもしれないという、いくらかの根拠がある」という、控えめな書き方になっています。
エビデンス:中 2本目は、メーカーの無制限助成を受けた大学のレビューです。van der Sluijs らのメタ解析(Int J Dent Hyg. 2023;21(1):77-94)は、32論文・38比較・約2,805人をまとめ、回転振動式に有利な差を4つの指標すべてで検出しました。ただし差の大きさは、たとえば修正Quigley&Hein指数で0.13(95%信頼区間0.05〜0.21)です。著者自身が「小さいが有意な差」「小さいが臨床的に意味のある利点が中程度の確からしさである」と書いています。資金はプロクター・アンド・ギャンブル社(回転振動式の主要メーカー)からの無制限教育助成で、論文は「同社はレビューの設計に関与せず、報告と公表にも影響していない」と明記しています。著者は、組み入れた32本のうち16本に利益相反の申告があったことも書き添えました。
エビデンス:弱 3本目は、メーカーの社員が書き、メーカーが資金を出したものです。Zou、Grender、Adam、Levin によるメタ解析(Int Dent J. 2024;74(1):146-156・PMID 37481415)は、いちばん大きな数字を出しています。歯ぐきが健康な状態へ移行した人の割合が、回転振動式で72%、音波式で54%、手用で21%。出血部位の減少は音波式より29%多く、歯垢の減少は音波式より5%多い。4人の著者のうち3人がプロクター・アンド・ギャンブル社オーラルケア研究開発の社員で、資金も同社です。残る1人も、同社のコンサルティングを行ったと申告しています。組み入れた試験はすべて同社の臨床試験アーカイブから取られており、系統的レビューと並行して行われた解析ではないと記載があります。
3本を横に並べると、方向性はそろっています。回転振動式のほうが、わずかに有利な方向です。同時に、いちばん独立した1本目では4指標のうち2つで差がつかず、いちばんメーカーに近い3本目で「72%対54%」になります。数字そのものより、この勾配のほうが、説明を読むときには参考になります。
コクランの2014年のレビューには、この論争に水を差す一文があります。歯垢についてのメタ解析で、試験ごとに結果が食い違う量を表すI2が短期83%・長期86%と高く、「そのばらつきは、電動歯ブラシの方式のサブグループでは説明できなかった」と書かれています。
I2は、試験ごとの結果の食い違いのうち、偶然のぶれでは説明のつかない部分がどれくらいを占めるかを表す数字です。83%や86%というのは、食い違いの大部分が偶然では説明できないという意味になります。試験と試験のあいだに、結果を動かしている体系的な違いがあることになります。
コクランは、その体系的な違いが駆動方式なのかを確かめています。試験を方式ごとに分けて、同じ方式の中では結果がそろうかを見る方法です。方式が食い違いの原因であれば、方式ごとに分けた時点でばらつきは小さくなるはずでした。ところが、方式ごとに分けても、それぞれの中のばらつきは同じように大きいままでした。
では何が原因なのか。試験の期間、参加した人のもともとの歯垢の量、みがき方をどこまで指導したか、誰がどの指数で測ったか。候補はいくつもありますが、このレビューはそこまでは調べていないので、原因の候補から駆動方式が1つ外れた、というところで止まっています。
なお、コクランが数えた試験の本数は、音波式(side to side)が10本に対して回転振動式が27本でした。研究の蓄積量が3倍近く違うので、「音波式は劣る」ではなく「音波式は調べられた回数が少ない」という読み方も、同時に成り立ちます。
04ナノバブルは、どこまで確かめられていますか
ここが今回いちばん新しく見えるところです。私が確認できた範囲をそのまま書くと、人の口の中で調べた研究は1本しか見つかりませんでした。
エビデンス:弱 鶴見大学のグループによる報告(Sueishi N ほか・Dent Mater J. 2021;40(2):272-278・PMID 33055432)で、被験者は12人(男性3人・女性9人、平均24.2歳)。全員が6か月以上マルチブラケット装置をつけている矯正中の患者さんです。やったことは、いつもどおり自宅で歯をみがいて来院し、染め出しをして、高濃度のウルトラファインバブル水または蒸留水で30秒うがいをして、もう一度染め出しの付き具合を測る、というものでした。歯垢が付着している面の割合(PCR)の減少は、蒸留水の2.7±1.9に対してウルトラファインバブル水が9.8±2.1。写真から求めた歯垢の体積比の減少は、13.3±5.2に対して35.0±5.3でした。
数字だけを見ると大きな差ですが、この研究が測ったものはかなり限られています。行われたのはうがいであって、ウォーターフロスでも電動歯ブラシでもありません。泡を含んだ水で口をゆすいだ結果です。測定も1回きりなので、使い続けたら歯ぐきがどうなるか、むし歯が減るかまでは追っていません。そして著者自身が、考察に「臨床の条件では、試験管の実験の結果に比べて洗浄効果が弱まった」と書いています。
もう1本、よく引かれる研究があります(Lin P-J・J Healthc Eng. 2020;2020:8871849・PMID 33194160)。こちらは除去率95%以上、条件によっては100%という強い数字が出ていますが、人の口ではなく、成人の型から作った14歯の入れ歯に菌を付けた実験室の実験です。著者も「実際の口腔ではなく義歯を使った」ことを限界として挙げ、人の口での確認を今後の課題としています。
ここまでをまとめると、ウォーターフロスという製品の形で、何か月か使った結果を人で調べたデータを、私は確認できていません。データが無いことと、製品として劣ることは別の話です。新しい技術はたいてい、試験管の実験、少人数の単回の試験、長期の比較試験という順番で確かめられていきます。ウルトラファインバブルは、いまその2段目に入ったあたりに見えます。
05ラジオ波(RF)は、今回いちばん新しいところです
リファの電動歯ブラシの中心にあるのは、泡よりもむしろ「RFソニックテクノロジー」と呼ばれている高周波のRF(ラジオ波)と音波振動の組み合わせです。メーカーの説明では、RFがステインやバイオフィルムの強固なたんぱく質結合をゆるめ、浮いた汚れを音波振動で洗い流す、という順序になっています。温かく感じるのも、このRFのはたらきによるものだとメーカーは説明しています。
この方式は、ここまで紹介してきたどのレビューにも1本も入っていません。コクランが分類した方式は、side to side(音波)、counter oscillation、rotation oscillation(回転振動)、circular、ultrasonic、ionic の6つで、RFという項目自体がありません。2014年の時点では、家庭用の歯ブラシとして存在していなかったからです。
エビデンス:中 では、RFについて人で調べた研究はあるか。私が確認できたのは1本で、Khoury らのランダム化二重盲検比較試験(Clin Exp Dent Res. 2023;9(4):574-585・PMID 37515446・ClinicalTrials.gov NCT04640857)です。メインテナンス中の患者58人を、RF歯ブラシ群29人と、見た目が同じでRFが出ない偽装ブラシ群29人に無作為に分けたもので、二重盲検で偽装対照を置いており、この分野の試験としてはていねいな作りになっています。
結果は2段構えでした。1か月の時点では、下の前歯の頬側の歯石が試験群で少なくなっていました(4.0%対6.7%、p<.05)。ところが3か月の時点では、群間の差がなくなっていました。歯周ポケットの深さ、プロービング時の出血、歯垢指数、歯ぐきの下がり具合は、どれも1か月でも3か月でも差がありませんでした。満足度にも差はありません。著者の結論は「1か月の時点で歯石の付着を防ぐ上乗せの効果があるように見える。しかし3か月では、歯石の形成についても歯周の健康の維持についても、2つの歯ブラシのあいだに差は見られない」というものでした。
ただし、この結果を読むときには条件がいくつか付きます。資金はメーカーで、論文には「本研究は Silk'n Company Ltd. の支援を受けた」とあります。使われたのも Silk'n 社の機器で、リファの製品ではありません。別の機器で得られた結果を、そのまま別の製品にあてはめることはできません。
著者は「目新しさの効果」にも触れていますが、これは群間の差についての話ではありません。1か月の時点では試験群でも偽装群でも歯石の付き方が良くなっていて、それは新しい歯ブラシを渡された直後だからかもしれない、という文脈で書かれています。新しい道具を渡された影響は両方の群に同じようにかかるので、これだけでは群間に差がついた理由の説明になりません。
群間の差のほうを読むときに効いてくるのは、盲検が保たれていたかどうかです。この試験の2本の歯ブラシは形・大きさ・振動が同じで、RFの表示ランプはどちらの群でも点灯させ、RFが実際に流れるのは試験群だけという作りでした。調べる側も、どちらが試験群かを知らされていません。ただし、使う本人が使用感の違いで自分の群に気づかなかったかどうかを確かめた記載は、論文にありません。気づいていた場合、1か月の差にはみがき方の変化が混ざっている可能性があります。
著者が挙げている限界はほかにもあります。歯石の評価方法(画像解析ソフトを使う方法)が新しく、確立された検証がないこと。下の前歯だけを見ていること。手用や従来の電動との比較群がないことです。
もう1本は試験管です(Amaechi BT ほか・Eur J Dent. 2024;18(1):243-252・PMID 37172943)。培養した多菌種のバイオフィルムにRF歯ブラシを当てると、生きた菌が有意に減り、電子顕微鏡で菌の細胞壁の破壊が確認されました。仕組みとしては、たしかに何かが起きています。ただしこれは試験管の中で得られた結果で、人の口ではまだ確かめられていない段階です。
温感については、メーカーの資料にも報道にも温度の記載が見当たらず、私は評価できる材料を持っていません。使い心地の話としては意味があるかもしれませんが、歯ぐきの健康との関係を示すデータは確認できていません。
06新しさを測る、4つのチェックポイント
ここまでの読み方を、次に新しい製品の説明を読むときのために4つにまとめます。この4つは、リファに限らず、どのメーカーの説明にも同じように当てられます。
① 試験管の中か、人の口の中か。「菌の増殖を74.4%抑制」「除去率100%」といった強い数字は、たいてい実験室のものです。実験室で強く出た効果が口の中では小さくなることは、ナノバブルの論文の著者自身が考察に書いていました。
② 誰がお金を出したか。方式の比較で見たとおり、同じ問いに答えた3本のメタ解析で、資金の出どころが近いほど数字が大きくなりました。資金提供があるから間違いだ、という話ではありません。ただ、数字の大きさを資金との距離とセットで見ておくと、読み違えにくくなります。
③ 何を測ったか。歯垢の指数が減ったことと、歯ぐきが健康になったことと、むし歯が減ったことは、それぞれ別の測定です。ナノバブルの論文は歯垢を測っていますが、むし歯は測っていません。それでも抄録の結論には「むし歯の発生を減らしうる」と書かれています。抄録の一文だけを読むと、測っていないものまで確かめられたように見えます。
④ どのくらい続いたか。RFの試験では、1か月であった差が3か月で消えました。新しい道具を手にした最初の数週間は、誰でもていねいに磨きます。だから短い期間の差だけでは、道具の差なのか、やる気の差なのかを分けられません。
07それで、何を基準に選べばいいですか
ここまでの根拠から言えることだけを書きます。まず、方式は決め手になりません。コクランは、試験結果のばらつきを方式のサブグループでは説明できなかったと報告しています。回転振動式にわずかな有利があるという報告はありますが、差の大きさは資金の出どころで変わります。音波式か回転振動式かで悩んで買えないでいるあいだより、どちらかを毎日使っているあいだのほうが、結果には効いてきます。
コクランの数字は、1日2回みがき続けた人たちの平均です。重さ、充電のしやすさ、音の大きさ、替えブラシが手に入るか。3か月後も使っている自分を想像できるほうを選ぶ、という基準のほうが、根拠の弱い機能比較を突き合わせるよりも重要かもしれません。
押しつけすぎを止める仕組みには、検討する価値があります。ただし、私が確認できた根拠には限界があります。すでに歯ぐきが下がっている人92人を36か月追った比較試験(Sutor S ほか・Int J Dent Hyg. 2025;23(1):26-36・PMID 38863249)では、手用の群で歯肉退縮が平均0.17mm進んだのに対し、圧力センサー付きの電動の群では0.10mm戻りました(p=0.013)。ただしこの試験は、手用と電動を比べたもので、センサーの有無を比べたものではありません。差がセンサーによるものかどうかまで、この試験は切り分けていません。この試験も資金はプロクター・アンド・ギャンブル社で、歯ブラシと歯みがき剤も同社が提供しています。センサーの有無だけを比べた研究は、私がさがした範囲では見つかりませんでした。
ナノバブルもラジオ波も、仕組みとしては何かが起きています。ただしどちらも、人の口で何か月か使った結果を示す比較試験が、まだ足りていません。いま買って試すのも、数年後の結果を待つのも、どちらも筋の通った選択で、この記事はそのどちらかを勧めるために書いたものではありません。
08最後に、いちばん大きい変数の話をします
どの製品を選んでも変わらないものが3つあります。磨き残しの場所、力加減、そして歯と歯のあいだです。
人は毎回、同じところを磨き残します。利き手の側、いちばん奥の歯の後ろ、歯と歯ぐきの境目。電動に替えても、当てていない場所には当たりません。コクランの11%や21%も、同じ場所を磨いた上での差として出た数字です。
力加減も道具では決まりません。強く当てるほど落ちる、という感覚は、歯ぐきと歯の根元に対しては逆に働きます。歯と歯のあいだについても、歯ブラシは方式にかかわらず届きにくい構造をしているので、この面をどうするかは、歯ブラシを選ぶ話とは別に考えることになります。
この3つは、いずれもご自身では見えません。鏡で見えるのは、たいてい磨けている面のほうです。
歯科医院での検診とクリーニングでは、染め出しをして、その人がどこを磨き残しているかを一緒に見ます。新しい歯ブラシを買うかどうかを迷う前に、いまのご自身の磨き残しがどこにあるかを一度見ておくと、選ぶ基準がご自身のものになります。当院では、その場でどう当てればいいかまでお伝えしています。
最後に、一つ言い添えておきます。この記事では、研究の資金の出どころを何度も書きました。資金提供のある研究は、その分を割り引いて読む、という読み方をしています。ただしそれは、費用を出した会社を疑っているという意味ではありません。人を対象にした比較試験には費用がかかり、研究が進みにくい側面があります。自社に不利な結果が出るかもしれない研究に費用を出して、前に進めようとする会社があるから、比べた数字が世の中に出てきます。この記事で引いた9本のうち4本が、その会社の資金によるものです。私は、そこには敬意を持っています。割り引いて読むことと、敬意を持つことは、私の中では両立しています。
ご相談やご予約は、LINEまたはWebからお受けしています。
- 電動と手用の差は、コクランが51試験・4,624人でまとめています(歯垢が長期で21%多く減少)。同じ論文が「臨床的な重要性はいまだ明らかではない」とも書いています
- 音波式と回転振動式の比較は、資金の出どころが近い研究ほど差が大きく出ます。コクランは、ばらつきを方式のサブグループでは説明できなかったと報告しています
- ナノバブルで口の中を調べた研究は12人・30秒のうがい・1回きりの1本、ラジオ波は58人・偽装対照で3か月では差が消えた1本。 どちらも「効果がない」ではなくまだ調べられている途中です
- 道具を替えても変わらないのは、磨き残しの場所・力加減・歯と歯のあいだの3つです。この3つは、ご自身では見えません
- Yaacob M, et al. Powered versus manual toothbrushing for oral health. Cochrane Database Syst Rev. 2014;(6):CD002281.(システマティックレビュー/メタ解析 51試験 n=4,624)DOI 10.1002/14651858.CD002281.pub3. PMID 24934383.
- Clark-Perry D, Levin L. Systematic review and meta-analysis of randomized controlled studies comparing oscillating-rotating and other powered toothbrushes. J Am Dent Assoc. 2020;151(4):265-275.(システマティックレビュー/メタ解析 RCT12本)PMID 32111341.
- van der Sluijs E, et al. The efficacy of an oscillating-rotating power toothbrush compared to a high-frequency sonic power toothbrush on parameters of gingival inflammation and plaque. Int J Dent Hyg. 2023;21(1):77-94.(システマティックレビュー/メタ解析 32論文・38比較 約2,805人/P&G社の無制限教育助成)DOI 10.1111/idh.12597.
- Zou Y, Grender J, Adam R, Levin L. A Meta-analysis Comparing Toothbrush Technologies on Gingivitis and Plaque. Int Dent J. 2024;74(1):146-156.(メタ解析 歯肉炎21試験 n=2,655/歯垢25試験 n=3,019。著者4名中3名がP&G社員・同社資金・同社の臨床試験アーカイブから抽出)PMID 37481415.
- Sueishi N, et al. Plaque-removal effect of ultrafine bubble water: Oral application in patients undergoing orthodontic treatment. Dent Mater J. 2021;40(2):272-278.(実験室の実験+単回の臨床試験 n=12・矯正装置装着中)PMID 33055432.
- Lin P-J. The Application Method of Nanobubble Conveyor on the Effect of Preventive Oral Hygiene. J Healthc Eng. 2020;2020:8871849.(実験室の実験・14歯の義歯を使用/人を対象としていない)PMID 33194160.
- Khoury J, et al. The influence of radio frequency-based toothbrush on the accumulation of calculus and periodontal health. Clin Exp Dent Res. 2023;9(4):574-585.(ランダム化二重盲検・偽装対照比較試験 n=58/Silk'n Company Ltd. の支援)ClinicalTrials.gov NCT04640857. PMID 37515446.
- Amaechi BT, et al. Investigation of the effects of Bipolar Radiofrequency Energy on the Structural Morphology of Dental Plaque. Eur J Dent. 2024;18(1):243-252.(実験室の実験/人を対象としていない)PMID 37172943.
- Sutor S, et al. Effect of a powered and a manual toothbrush in subjects susceptible to gingival recession: A 36-month randomized controlled clinical study. Int J Dent Hyg. 2025;23(1):26-36.(ランダム化比較試験・36か月 n=92/87名が完走・P&G社が資金)PMID 38863249.
- 製品の情報=ReFa公式ニュース(2026年6月22日発行)および家電 Watch(2026年8月3日)の報道による。
